か行
火葬祭(かそうさい)
神葬で、火葬場で行なう儀式。棺を火葬場のかまどの前に安置して、持参した銘旗や花をそなえ、斎主による式が行なわれる。
形見分(かたみわけ)
故人の衣服・所有品などを親族・親友などに分け与えること。時期は忌明け法要などに行なう。形見草。
神棚封じ(かみだなふうじ)
死者を出した家では、神棚の扉を閉め、その上に白い紙で封をすること。死の汚れを避ける神道の習慣。この紙は忌明けとともに外す。神隠し。
仮通夜(かりつや)
死亡当日の夜、近親者のみで、遺体を見守り夜を過ごすこと。
また葬儀の日取りが友引などの関係で、通夜を2日間にわたって行なうとき、1日目を仮通夜と呼び、2日目を本通夜という。
仮門(かりもん)
出棺のさい、仮の門を作ってそこをくぐる葬儀風俗。かやや竹で仮の門を作ってくぐらせる風習は東日本に多くみられる。
死者の霊をあの世に送るための象徴的な儀礼である。
還骨法要(かんこつほうよう)
火葬した遺骨を持ち帰って行なうお勤め。中陰壇に遺骨と遺影をまつり行なう。
還骨供養。還骨勤行(ごんぎょう)
灌頂(かんじょう)
頭に水をそそぐこと。墓石に杓で水をそそぐこともいう。
密教では、阿闍梨(あじやり)より法を受けるときの儀式。
忌明(きあけ)
死亡の日から四十九日目を満中陰とし、この間を喪とし、この喪に服する期間が終わること。
いみあけ。
忌明け法要(きあけほうよう)
喪に服する期間が終わる四十九日目の忌明け(満中陰)に行なう法要。
神式の場合死後五十日目で忌服を終え、五十日祭を行なう。
帰家祭(きかさい)
神式で、葬儀が終わったことを仮霊舎の霊代(みたましろ)に報告する儀式。
北枕(きたまくら)
死者の頭を北向きに安置すること。釈尊が涅槃(ねはん)のとき頭を北にし、西を向いていた故事にならったもの。
火葬許可書(かそうきょかしょ)
火葬場で火葬してもらうさいに提出する書類。埋火葬許可書。
過去帳(かこちょう)
家の祖先の戒名(法名)・俗名・死亡年月日を記し置く帳簿。
寺院には檀家の過去帳がある。鬼籍。
会葬御礼品(かいそうおんれいひん)
葬儀の際に遺族側が、会葬者に対して謝意を表すためにお渡しする御礼の品。
会葬礼状(かいそうれいじょう)
葬儀に参列した会葬者に対し、喪主が会葬の御礼を書状の形であらわしたもの。
戒名(かいみょう)
僧が死者につける法号。本来は仏弟子として戒を受けるにさいし、俗名を改めて授けられる名。
浄土真宗では法名、日蓮宗では法号という。
忌中札(きちゅうふだ)
喪家の入り口に貼る「忌中」を知らせる札。入り口に簾を裏返しに垂らし、黒枠の紙の中央部に「忌中」と書く。
供花(きょうか)
仏前または死者に花を供えること。またその花。形には花束、花輪、盛り花などがある。
経帷子(きょうかたびら)
死者に着せる経文の書かれた白の衣装。かたびらとは裏地のない着物を指す。
経机(きょうづくえ)
僧の座る前におく机で、経文をのせておくのに用いる。
葬儀に用いられる経机は白木のもので、彫刻が施されているものが多い。
前机。経卓(きょうじょく)。
曲録(きょくろく)
法式の際、僧の用いる椅子の一種。背もたれの部分が丸く、脚を床几(しようぎ)のように交又させたもの。円椅(えんい)。
釘打ち(くぎうち)
出棺の前に遺族・親族が小石を用いて棺の釘をうつ儀式。石は三途(さんず)の河のほとりにある石をあらわし、死者が三途の河を渡るのを願ってうつといわれる。
供物(くもつ)
死者の霊前に供えるもの。生花、花輪、菓子、果物、線香、ローソクなど。
繰出位牌(くりだしいはい)
何枚もの位牌を木製の枠のなかに収め、命日の順に入れ替えて使用する。繰出位牌は仏壇の向かって右、新仏の位牌は左に置く。
香典返し(こうでんがえし)
香典を頂いた方に対し、謝意を表すために品物などをお返しする習慣。
忌明け法要のあとに「忌明け志」という名目で行なわれる他、地域によっては、葬儀の日にその場返し(当日返し)をする。
五具足(ごぐそく)
仏前供養のための五物。香炉一、燭台二、花瓶二の五つが一組。
香炉が中心で、左右に燭台、両縁に花瓶を配置する。
告別式(こくべつしき)
仏式葬儀では葬儀と告別式を続けて行なうが、葬儀は故人の成仏を祈る儀式であり、告別式は故人に近親者・知人が別れを告げる儀式である。
普通告別式は葬儀式終了に引き続いて行なわれる。
骨揚げ(こつあげ)
火葬にした死者の骨をひろい骨壷に納めること。作法は二人が一片の遺骨を同時に鋏むか、一人が鋏み次ぎの人に渡す。骨ひろい。
骨覆(こつおおい)
骨壷を包むための布製の袋。
骨壷(こつつぼ)
火葬した遺骨を納めるための壷。材質に銅、ガラス、陶器、大理石などさまざま。