焼香(しょうこう)
香をたいて仏にたむけること。香には線香と抹香があり、宗派により焼香回数が異なる。
荼毘(だび)
死者を火葬にし、弔うこと。
玉串奉奠(たまぐしほうでん)
神道において、玉串を神前に捧げること。
作法は神官の前で一礼して玉串を受け取る。その際に玉串の根本を右手で掴み、左手で葉を下から支える。次に再度一礼して玉串案(玉串を置く机)の三歩手前で玉串を目の高さに頂き、右に回転させて根本の方を祭壇に向けておく。
捧げたあと正面を向いたまま三歩退き、二拍手一礼をする。
旦那寺(だんなでら)
家の墓地がある寺院で菩提寺のこと。あるいは葬儀や法要を依頼した先の寺院。
旦那は梵語で「布施」を意味し、布施を施す先の寺を指す。
壇払い(だんばらい)
忌明けのあと、あと飾り壇(中陰壇)を取り片付けること。壇引き。
中陰(ちゅういん)
中有(ちゅうう)ともいい、死んだのち次に生をうけるまでの四十九日間という。
弔辞(ちょうじ)
葬儀のさいに披露する、死者へのお別れの言葉。弔辞は奉書か巻き紙に毛筆で書き、末尾から短冊形に折り畳み、上包みをして「弔辞」と表書きをする。
弔電(ちょうでん)
お悔やみの電報。遠方で葬儀に参加出来ない場合などに、弔慰の気持ちを伝える。
弔問(ちょうもん)
死者の遺族を訪問して悔やみをいうこと。弔慰。
追善供養(ついぜんくよう)
死者の冥福を願って、遺族縁者が集い、僧侶を招いて供養を行なうこと。
通夜(つや)
葬儀の前夜に、親族が夜を徹して亡き人の遺体を守ること。また葬儀の前夜に行なう法要のこと。
通夜振るまい(つやぶるまい)
通夜に出席した客を、酒や食事でもてなすこと。最近では簡略化されているが、地域によっては盛大に行なわれる。
逮夜(たいや)
火葬にする前夜のこと。夜通しで荼毘(だび)の時に及ぶという意。現在では命日の前夜を指す。
粗供養(そくよう)
葬儀の会葬者に謝意を表すためにお渡しする品。
品物はハンカチ、お茶など地域によって異なる。
施主(せしゅ)
法事または葬式などを行う当主。
焼香順位(しょうこうじゅんい)
焼香する順番をさし、普通故人と血縁の濃い順に行なわれる。
地域によって異なるが、一家の主人が亡くなった場合、喪主(未亡人または長男)、故人の子供、故人の父母、故人の配偶者の父母、故人の孫、故人の兄弟姉妹、故人の配偶者の兄弟姉妹、故人の叔父叔母、故人のおい、めいの順となる。
荘厳(しょうごん)
天蓋・幢幡・瓔珞(ようらく)その他の仏具・法具などで仏像・仏堂を飾ること。また、その飾り。
精進落し(しょうじんおとし)
精進の期間が終わって日常にもどって食事をすること。葬儀終了後に、親戚や世話になった人などに慰労と感謝を込めて食事でもてなすこと。精進明け。精進上げ。
祥月命日(しょうつきめいにち)
故人の死亡した月日。正忌日。
精霊棚(しょうりょうだな)
盆に精霊を迎えるにために設ける棚。仏壇の前に簀の子を敷いた棚や小机を置き、ここに位牌と樒、香、鈴、供物などを飾る。
初七日(しょなのか)
死亡して七日目、またその日に行なう法要のこと。
最近では葬儀の当日に初七日を修することが多くなっている。
白木の位牌(しらきのいはい)
白木に戒名をしるした位牌で、通夜、葬儀に遺影と共に祭壇に安置する。
葬儀の後には、忌明けまで中陰壇にまつり、法要後は寺院に納め、代わりに本位牌を仏壇に安置する。
白張提灯(しらはりぢょうちん)
紋や絵柄のない提灯で、葬儀や新盆に使用する。
厨子(ずし)
御本尊様や御位牌などを安置する仏具の一種です。
頭陀袋(ずたぶくろ)
遺体の首にかける袋。六文銭や死者の日用品などを入れることもある。
本来は僧が経巻・僧具・布施物などを入れて首にかける袋。すみ袋。さんや袋。
頭北面西(ずほくめんさい)
死者の頭を北に、顔を西に向けて寝かせること。釈導入滅の時の姿勢。
「頭北面西右脇臥」ともいう。
出立ちの膳(でだちのぜん)
出棺前に、死者との永別のためにする食事のこと。地域風習のひとつ。
導師(どうし)
葬儀において儀式の中心的な役割をする僧。導師以外の僧は、脇師、脇僧と呼ぶ。
灯明(とうみょう)
神仏に供える灯火。燭台、輪燈、燈篭が用いられる。
末期の水(まつごのみず)
遺族が故人の口元を水で潤すこと。釈尊が臨終にあたって水を求めたのがならわし。死に水。
守り刀(まもりがたな)
遺体の布団の上や枕元に置く短刀。遺体の魔除けといわれるが、真宗では用いない。
満中陰(まんちゅういん)
四十九日(しじゅうくにち)の中陰が明けること、またその時に行なう法要。
三具足(みつぐそく)
仏前に供える香炉・花瓶(けびよう)・燭台を一揃いとしていう語。
並べ方は、中央に香炉、右にローソク立て、左に花瓶を並べる。
密葬(みっそう)
身内だけで行なう葬儀。
後日に社葬などを行なう予定がある場合、親族や近親者だけで行なう葬儀も密葬と呼ぶ。
木魚(もくぎょ)
読経の時に叩いて鳴らす具。木製で、円形・中空、表面に魚鱗を彫刻したもの。
魚は昼夜目を覚ましていることから、怠惰を戒めるという説がある。
喪中ハガキ(もちゅうはがき)
喪の期間に新年を迎える場合に、例年年賀の挨拶を行なっていた相手に対し、事前に年賀欠礼の挨拶をハガキで知らせる。 喪中ハガキの対象となるのは、喪家の全員と直系二親等までの遺族。
湯灌(ゆかん)
遺体を湯で洗い清めること。湯灌の水は水に湯をそそいで温くする「さかさ水」という方法を取る風習がある。
依代(よりしろ)
神や霊が地上に出現するための乗りもの。広くは位牌、墓石も死者の依代の一種。かたしろ。
霊璽(れいじ)
神道の霊の依代(よりしろ)で仏式の位牌にあたる。
木主(もくしゅ)という白木の板の表面に「○○○命之霊」と書き、裏面には没年月日を記入する。
霊璽は忌明け後に祖霊舎に移される。
六文銭(ろくもんせん)
死者に持たせる道具の一つで、三途の河渡し賃であると言われる。諸外国でもコインを持たせたり、口にくわえさせる例がある。六文銭。
枕飯(まくらめし)
死者の枕もとに供える飯。枕団子と一緒に供える地域が多い。 地域により死者は死後、善光寺詣りに行くという伝承があり、そのとき携える食事とされる。
枕団子(まくらだんご)
死者の枕元に供える団子。枕団子は上新粉を蒸して作り、三方に白紙を敷いて供える。
仏典によると、釈尊が涅槃に入るとき、無辺菩薩が香飯を献上したが、釈尊は食べなかった。それで死後団子を供えたとある。
枕飾り(まくらかざり)
遺体を安置したあと、枕元に設置する祭壇。台の上には線香、燭台、花立の他、水、枕団子、枕飯を飾る。
斎(とき)
法要その他仏事の参加者に出す食事。食すべき時の意。斎食。
直会(なおらい)
神事が終わって後、神酒・神饌をおろして参加者全員で行なう酒宴。
いみを直って平常にかえるという意味。
新盆(にいぼん)
人が死んだ家で初めてむかえる盆。初盆。あらぼん。
年忌法要(ねんきほうよう)
人の死後、年ごとにまわってくる当月当日の忌日に行なう法要。
一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌、の八回。三と七の年に行なわれる。
納棺(のうかん)
遺体を棺に納めること。仏式では納棺に際して僧侶に読経してもらうこともある。
納骨(のうこつ)
火葬にした遺骨を骨壷に納め、寺院、墓地、納骨堂に納めること。
箸渡し(はしわたし)
火葬にした遺骨を、箸で収骨する方法。
「箸」は「橋」に通じ、あの世に橋渡しするという意味が込められている。
奉書紙(ほうしょし)
奉書に用いる皺がなく純白で、きめの美しい紙。弔辞の用紙にも使用する。
法名軸(ほうみょうじく)
法名を書いた用紙を軸表装したもの。浄土真宗では位牌の代わりに用いる。
法要には仏壇内部の左にかける。
菩提寺(ぼだいじ)
一家の祖先の墓があり、葬式・追善供養などをお願いしている寺。檀那寺。
埋火葬許可書(まいかそうきょかしょ)
(埋)火葬を行なう場合は、厚生省令により市町村長の許可が必要と定められており、死亡届を役所に届けた時点で発行される書類。
埋火葬先の火葬場(齊場)に提出する。
別れ花(わかればな)
納棺や出棺時に死者にたむける花。出棺前に棺の蓋を開け、遺体のまわりに遺族、近親者の手で飾る。
須弥壇(しゅみだん)
寺院の本堂内の仏像を安置する壇。仏教の世界説で、世界の中心にそびえ立つという高山である須弥山をかたどったもの。
四角・八角・円形など。須弥座。仏座(ほとけのざ)。
枕経(まくらぎょう)
死者の枕元で行なう読経。普通菩提寺の僧が行なう。臨終勤行。枕づとめ。
卒塔婆(そとば)
供養追善のため墓に立てる、上部を塔形にした細長い板。梵字・経文・戒名などを記したもの。板塔婆。
あと飾り(あとかざり)
火葬から自宅に帰った遺骨を、忌明けまでの間おまつりすること。葬儀に使用した祭壇を片付けたあと、あと飾り壇を設置する。あと飾り壇には、燭台、線香立て、鈴(りん)などの仏具や、遺影、遺骨、白木の位牌をまつり、供物や生花で飾る。2段・3段、紙製・木製があり、地域により飾るものが異なる。中陰壇。
火葬祭(かそうさい)
神葬で、火葬場で行なう儀式。棺を火葬場のかまどの前に安置して、持参した銘旗や花をそなえ、斎主による式が行なわれる。
形見分(かたみわけ)
故人の衣服・所有品などを親族・親友などに分け与えること。時期は忌明け法要などに行なう。形見草。
神棚封じ(かみだなふうじ)
死者を出した家では、神棚の扉を閉め、その上に白い紙で封をすること。死の汚れを避ける神道の習慣。この紙は忌明けとともに外す。神隠し。
仮通夜(かりつや)
死亡当日の夜、近親者のみで、遺体を見守り夜を過ごすこと。
また葬儀の日取りが友引などの関係で、通夜を2日間にわたって行なうとき、1日目を仮通夜と呼び、2日目を本通夜という。
仮門(かりもん)
出棺のさい、仮の門を作ってそこをくぐる葬儀風俗。かやや竹で仮の門を作ってくぐらせる風習は東日本に多くみられる。
死者の霊をあの世に送るための象徴的な儀礼である。
還骨法要(かんこつほうよう)
火葬した遺骨を持ち帰って行なうお勤め。中陰壇に遺骨と遺影をまつり行なう。
還骨供養。還骨勤行(ごんぎょう)
灌頂(かんじょう)
頭に水をそそぐこと。墓石に杓で水をそそぐこともいう。
密教では、阿闍梨(あじやり)より法を受けるときの儀式。
忌明(きあけ)
死亡の日から四十九日目を満中陰とし、この間を喪とし、この喪に服する期間が終わること。
いみあけ。
忌明け法要(きあけほうよう)
喪に服する期間が終わる四十九日目の忌明け(満中陰)に行なう法要。
神式の場合死後五十日目で忌服を終え、五十日祭を行なう。
帰家祭(きかさい)
神式で、葬儀が終わったことを仮霊舎の霊代(みたましろ)に報告する儀式。
北枕(きたまくら)
死者の頭を北向きに安置すること。釈尊が涅槃(ねはん)のとき頭を北にし、西を向いていた故事にならったもの。
火葬許可書(かそうきょかしょ)
火葬場で火葬してもらうさいに提出する書類。埋火葬許可書。
過去帳(かこちょう)
家の祖先の戒名(法名)・俗名・死亡年月日を記し置く帳簿。
寺院には檀家の過去帳がある。鬼籍。
一膳飯(いちぜんめし)
死者の枕もとに供える飯。枕団子と一緒に供える地域が多い。一説には、死者は死後、善光寺詣りに行くという伝承があり、そのときに携える食事のこと。
一周忌(いっしゅうき)
人が死亡してから満一年後の祥月命日に営む法事。一回忌。神式では一年祭という。
位牌(いはい)
死者の俗名や戒名を記した木の札。表に戒名を、裏に俗名や没年月日、行年を記す。位牌は葬儀に用いる白木の位牌、塗位牌、唐木位牌、回出(くりだし)位牌、寺位牌などがある。白木の位牌は忌明けまで祀り、そのあと塗位牌などに替えて仏壇に納める。なお、浄土真宗では位牌の代わりに法名軸を用いる。
引導(いんどう)
衆生を導いて仏道に入らせること。また、死者を済度するため、葬儀のとき導師が棺前に立ち法語を説くこと。葬儀式のなかで行う引導は、浄土真宗を除く各宗派で行なわれる。
打敷(うちしき)
布製の敷物。仏壇・仏具などの敷物で多く金襴を用いる。葬儀には白色を用いるが、地域によっては、忌明けからは赤などの色ものを使用する。
盂蘭盆会(うらぼんえ)
毎年7月13日〜16日(地域によっては、8月13日〜16日)に、祖先の霊を迎えて供養する行事。一般に13日を迎え盆、16日を送り盆といい、その間は家々に精霊棚を設け、祖先を供養する。
死亡して始めて迎える盆を初盆といい、親戚が盆提灯やお供えを送る風習がある。
回向(えこう)
仏事をいとなんで死者の冥福を祈ること。浄土教で、仏事をいとなんだ功徳(くどく)をめぐらし衆生の極楽往生に資すること。
回向文は、法事の勤めの終りに、功徳を衆生にめぐらし向けるために読誦するもの。
折敷(おしき)
ひのきの白木つくりの盆で、三方の上部の形をしており、食器や神饌をのせるのに用いる。
表書き(おもてがき)
書状・書籍・箱などの表面に文字を書くこと。葬儀に金銭を包む場合、仏式では「御霊前」「御香典」、神式では「御神饌料」、キリスト教式では「御花料」とする。上書。
会葬御礼品(かいそうおんれいひん)
葬儀の際に遺族側が、会葬者に対して謝意を表すためにお渡しする御礼の品。
会葬礼状(かいそうれいじょう)
葬儀に参列した会葬者に対し、喪主が会葬の御礼を書状の形であらわしたもの。
戒名(かいみょう)
僧が死者につける法号。本来は仏弟子として戒を受けるにさいし、俗名を改めて授けられる名。
浄土真宗では法名、日蓮宗では法号という。
忌中札(きちゅうふだ)
喪家の入り口に貼る「忌中」を知らせる札。入り口に簾を裏返しに垂らし、黒枠の紙の中央部に「忌中」と書く。
供花(きょうか)
仏前または死者に花を供えること。またその花。形には花束、花輪、盛り花などがある。
榊(さかき)
つばき科の常緑樹(じょうりょくじゅ)。特に葉は神事に用いられる。
散華(さんげ)
仏を供養するため花を散布すること。法会中、紙製の蓮華の花弁などを花筥(けこ)に盛り、声明に合わせながらまき散らす。
三方(さんぽう)
儀式に際し供物をのせる台。方形の折敷(おしき)を白木で造り、前・左・右の三方に刳形(くりかた)のある台を取り付けたもの。
四華花(しかばな)
葬儀に用いる野道具の1つ。釈尊が涅槃に入るとき沙羅双樹の花が白く変化したことに由来する。しか。かみばな。
樒(しきみ)
モクレン科の常緑小高木で、墓地などに植える。春、葉のつけねに黄白色の花を開く。全体に香気があり、仏前に供える。しきび。
四十九日(しじゅうくにち)
故人が亡くなってから七七(しちしち)日、すなわち四九日目をさす。死から次に輪廻するまでの間で、仏教では死者が成仏するように、初七日から七日ごとに供養する。
中陰。なななぬか。満中陰(まんちゅういん)。
垂・四手(しで)
神前に供する玉串(たまぐし)・注連(しめ)縄などに垂れ下げるもの。古くは木綿(ゆう)を用い、後には紙を用いる。紙垂(しで)。
死装束(しにしょうぞく)
納棺に先だって死者につける装束、服装。
白木綿に経文を記した着物で、経帷子とも仏衣ともいう。なお、浄土真宗等では一般に用いられません。
死に水(しにみず)
遺族が水に浸した筆やガーゼ等で故人の口元を潤すこと。末期の水。
注連縄・七五三縄(しめなわ)
神事の場に不浄なものの侵入を禁ずる印として張る縄。
神葬祭では忌竹(いみたけ)といって、葉つきの青竹を四方に立て、それに注連縄を用いる。
舎利(しゃり)
仏陀または聖者の遺骨。または火葬にした後に残った遺骨。塔や納骨堂に納めて供養する。
なお釈迦の遺骨はインドの8箇所に分骨され、舎利塔が建てられた。仏舎利。
数珠・珠数(じゅず)
仏前で礼拝する時に手にかけ、または念仏の回数を数えるためにつまぐる用具。小さい珠の中間に大珠を母珠といい、その他の珠を子珠という。
また宗派に共通の略式のもの(一連)などが多く用いられる。念珠(ねんじゅ)。
逆さごと(さかさごと)
物事の本来の順序や位置が逆さにすること。葬送儀礼において、死者の衣装や道具を逆さまにする風習がある。逆さ着物、逆さ屏風。
祭壇(さいだん)
葬儀に際し本尊や遺体を安置し、儀式にふさわしく場を荘厳にするための壇。仏式の場合には、段の上に興(こし)が乗せられ、壇の上には様々な供物が供えられている。
最近では生花祭壇も多く用いられている。
経帷子(きょうかたびら)
死者に着せる経文の書かれた白の衣装。かたびらとは裏地のない着物を指す。
経机(きょうづくえ)
僧の座る前におく机で、経文をのせておくのに用いる。
葬儀に用いられる経机は白木のもので、彫刻が施されているものが多い。
前机。経卓(きょうじょく)。
曲録(きょくろく)
法式の際、僧の用いる椅子の一種。背もたれの部分が丸く、脚を床几(しようぎ)のように交又させたもの。円椅(えんい)。
釘打ち(くぎうち)
出棺の前に遺族・親族が小石を用いて棺の釘をうつ儀式。石は三途(さんず)の河のほとりにある石をあらわし、死者が三途の河を渡るのを願ってうつといわれる。
供物(くもつ)
死者の霊前に供えるもの。生花、花輪、菓子、果物、線香、ローソクなど。
繰出位牌(くりだしいはい)
何枚もの位牌を木製の枠のなかに収め、命日の順に入れ替えて使用する。繰出位牌は仏壇の向かって右、新仏の位牌は左に置く。
香典返し(こうでんがえし)
香典を頂いた方に対し、謝意を表すために品物などをお返しする習慣。
忌明け法要のあとに「忌明け志」という名目で行なわれる他、地域によっては、葬儀の日にその場返し(当日返し)をする。
五具足(ごぐそく)
仏前供養のための五物。香炉一、燭台二、花瓶二の五つが一組。
香炉が中心で、左右に燭台、両縁に花瓶を配置する。
告別式(こくべつしき)
仏式葬儀では葬儀と告別式を続けて行なうが、葬儀は故人の成仏を祈る儀式であり、告別式は故人に近親者・知人が別れを告げる儀式である。
普通告別式は葬儀式終了に引き続いて行なわれる。
骨揚げ(こつあげ)
火葬にした死者の骨をひろい骨壷に納めること。作法は二人が一片の遺骨を同時に鋏むか、一人が鋏み次ぎの人に渡す。骨ひろい。
骨覆(こつおおい)
骨壷を包むための布製の袋。
骨壷(こつつぼ)
火葬した遺骨を納めるための壷。材質に銅、ガラス、陶器、大理石などさまざま。
出棺(しゅっかん)
遺骸を納めた棺を自宅や齊場から送り出すこと。棺は遺体の足の方から運び出すが、頭から出す所もある。
出棺の前には遺体との最後の別れが行なわれる。